先日エストニアと日本の二拠点生活をされていて、blockhiveというデジタルIDとブロックチェーンのグローバルチームの会社を経営されている日下光さんの講演をきかせていただいた。
『未来の自治〜エストニアと世田谷 ひとと電子化の豊かな関係性とは〜』という世田谷区役所の心ある優秀な若手自主勉強会が企画運営をしたイベントだった。
エストニアといえば電子政府で有名だが、すべての手続きをデジタル化しているわけではなく、結婚、離婚、不動産登記以外をデジタル化している。
理由は、どれもスマホとかで簡単に出来すぎると困っちゃうからだとか。
エストニアは1991年に旧ソ連崩壊後に独立したのだが、全国民に行政や銀行のようなサービスを提供するには非常にコストがかかることがわかった。
エストニアは、旧ソ連支配時にバルト3国のなかでIT関連を担っていたこともあり、低コストで行政や銀行のようなサービスが提供可能なIT関連人材を活用して急速に電子化を推進していったという。
とはいえ、エストニアでも日本のマイナンバーに対してのと同様の不信感や懸念があった。
それを払拭するための方策がもっとも印象に残ったデータフェアネスだ!
日本のマイナンバーでも懸念されている個人情報データの監視や越権行為などの可能性に対して、
監視されていないことを担保するために、
自分の個人情報データを誰が、何時、何回、閲覧したかを、
自分がいつでも、何回でも、簡単にスマホなどでチェックすることができ、
されたくない場合にはブロックすることもできるのだという。
例え閲覧した相手が警察だったとしてもだ!
これってスゴくないですか!?(゚∀゚*)ノ
この心理的安全性を確保するための透明性が限りなく重要だと思った。
日本のマイナンバー制度もエストニアと同等程度の透明性を担保すれば、もっと急速に健全に普及して、面倒なお役所の書類を何度も書いたりする必要がなくなり、無駄な事務作業時間も圧倒的に節約できると思う。
ぼく自身、マイナンバーの個人情報データの閲覧と利用の透明性に疑義を感じていたのと、
マイナンバーの通知書を紛失してしまったと思っていたので(おおお!なんとこの講演を聞く前日に見つかったのだ!シンクロニシティ(゚∀゚*)ノ)
マイナンバーカードの作成を見送っていたのだが、
利便性が上がるのであればこれを機につくってみようと思った!
エストニアでは、公共交通機関の無料、教育費も無料。
電子政府のおかげで無駄な時間がなくなったので、余暇の時間が増え、生活にゆとりがあるという。
エストニアは実感しない電子政府を標榜しており、
行政は空気のようになってしまえということで、
ぼくらがお役所の書類や様々なサービスを利用するたび毎に何度も書かされる個人情報は一回書けばO.K.
確定申告はスマホであっという間に済むらしい。
データドリブン(各種サービスなどの意思決定や企画の立案において、ビッグデータなど生活行動に関する情報をベースにすること)であるために、
徹底的に無駄をなくし、
心地いいほどに便利なサービスを提供しているという。
高齢者のデジタルデバイド(デジタルから得られる知識・機会・貧富などの格差)はエストニアでもあったが、
それはむしろ、ソーシャルデバイド(社会から得られる知識・機会・貧富などの格差)なのではないかと、
まず小中学生にデジタル技術を教え、小中学生が高齢者にデジタル技術を教えたという。(※ゴメンナサイ<(_ _)>この話はちょっとうろ覚えです(^0^;))
最後に、日下さんが提唱する、人は下図の左側をデジタルに任せて、もっと右側を探究していこうというのは、とてもステキな考え方だと思った。
今日もここまで読んでくださって本当にありがとうございました。
P.S.
講演の後で日下さんと少し立ち話をさせていただいたのですが、日下さんがにこやかに『次回はそのカッコウ(うんちマンスタイル)で講演をやりたい!』とおっしゃってくださったことが、意外でとても嬉しくお優しいとお人柄だと思ったのでありました。