ぼくがカッコイイとかスゴいと思う人は、とても自信や実力があるのにとても謙虚な人です。
おかげさまで、いままで世の中的にスゴい!といわれているいろんな方にお会いしたり、お話しをうかがったり、お仕事をご一緒させていただいたりしてきましたが、振り返れば、ぼくはいつもそういう方々から学ばせていただいたり、助けられてきているような気がします。
勝手ながらお名前をあげさせていただくと、このようなそうそうたるスゴい顔ぶれのみなさまのお世話になってまいりました。みなさまそれぞれ実力や自信は十二分にあり、かつ個性的な方々ばかりですが、とても謙虚な方々ばかりでした。
故岩田聡さん(元任天堂株式会社代表取締役社長)
糸井重里さん(株式会社ほぼ日代表取締役社長)
角川歴彦さん(株式会社KADOKAWA取締役会長)
奥原主一さん(日本ベンチャーキャピタル株式会社代表取締役社長)
とはいえ、中にはどうみても謙虚でないスゴい方もいらっしゃいました。
それは、当時は超腸兆メチャクチャスゴいグラフィックデザイナー(アートディレクター)で、世界中のデザイン賞を総なめにしたといっても過言ではないくらいの実力をお持ちの方で、いまは現代美術家のサイトウマコトさんです。
ぼくは大学院を卒業して20代後半に、当時のサイトウマコトデザイン室の門をたたき、横柄にも「サイトウさんは天才ですよね!?ぼくも天才なので入れた方が良いですよ!」的なことを言い放ったのですが、サイトウさんは『おお!そうか!?じゃあ天才どうし頑張ろうぜ!』的な感じで、ありがたくもラッキーに入社させていただきました。
入社して、仕事先に一緒に同行させていただいたり、業界のパーティに一緒に連れて行っていただいたりした際にかいま見た、当時のサイトウさんの言動には、強烈なものがありました。
自分より先輩だろうが、年上だろうが、有名な方だろうが、自分がスゴい!と認めない人とは、挨拶はもちろんのこと、話しさえ一切しませんでした。
まあなんとも非常識で超失礼な方だと思いました。
入社のエピソードからもおわかりだと思いますが、当時はぼくもそこそこ思い上がった無礼な若者(バカ者)でありましたが、
サイトウマコトさんの超腸兆メチャクチャ無礼千万で傍若無人な失礼さには恐れ入りました。
なぜ、ここまで人に対して失礼な態度がとれるのだろう!?と、日頃の自分の失礼さを棚にあげて、あんぐりしてしまうほどに失礼な方でした。
ところが、身内にはものすごく優しいところがあり、やんちゃな子供みたいに無邪気で、一緒になってふざけたりしてくれることもときどきあり、とても愛すべき大人だなぁと思っていました。
たぶん、そこには純粋に自分が信じ貫いているデザインや美に対する信念があり、そこから外れる人やモノやコトには一切興味がない!ということだったのだと思います。
5年ほど前にサイトウマコトさんの還暦のお祝いのために、久々にお目にかかったときに、大変せんえつながら以下のような表彰状を自作して、進呈させていただきました。
マコトさん(いつもそう呼ばせてもらっていました)の目の前で、この表彰状を読み上げて、記念の高級マンゴーと一緒に進呈させていただきました。
マコトさんもとても喜んで、少し涙ぐんでいたかもしれませんが、とても喜んでくださったことをいまでもよく覚えています。
その後、一緒にお茶をして、久々にお話しをうかがったのですが、いまだ変わないサイトウマコト節に、まだまだマコトさんは十分元気でこれからも活躍するんだろうなぁと思ったものです。
ぼくは、実力がある謙虚さにあこがれますが、こういう愛すべき切れるナイフのような才能を持った人も大好きだなと思いました!
今日もここまで読んでくださって本当にありがとうございました。
ぼくたち人間にとって今日もたくさんの学びがありますように(*゚▽゚*)
P.S.
トップの写真はZenSchoolで開眼された今井祐二さんがつくられたポリゴン阿修羅です。